釜磯の板状節理

 

鳥海山の西端が日本海に没するところにある釜磯は、浜辺の砂から吹き上がるように出ているたくさんの湧水が有名ですが、じつはこの海岸にはポットホール(甌穴)があり、さらに見事な板状節理もあります。この節理はまだ一般にはあまり知られていませんが、おすすめのポイントです。

湧水があちらこちらからぼこぼこ湧いている砂浜を、南側の十六羅漢方向に砂浜が尽きるところまで5分くらい歩いていくと、下の写真のようなじつにすばらしい垂直の板状節理に出会うことができます。旧7号線より下の崖の高さは15mくらいかと思います。

この岸壁は10万年前くらいに鳥海山の大平(標高1000m)あたりから流れてきた吹浦溶岩(ふくらようがん)の先端部分のひとつですが(全体では50mくらいの厚さ)、その流れの構造がきっちりと岩に記録されているという感じです。溶岩が冷えて固まる際の収縮→亀裂でできた表面の部分は、長年の日本海の荒波で削られ崩れてしまい、溶岩内部で比較的ゆっくりと冷えて固まった部分に発達した板状節理が顔を表したのではないかと思うのですが、どうでしょうか?

 

 

 

 

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