フォトスタンドと掛時計の材料の養生

 

11/2〜8の個展で予約注文をいただいたものの一部ですが、フォトスタンドAタイプと径12cmくらいの小型の掛時計を作っています。フォトスタンドは素材がオニグルミ、掛時計はサワグルミ。木取りして一次下拵えとして仕上寸法より2〜3mm程度厚い状態にします。そのあとは、いったん切削は中断して「養生」をします。

素材(荒木)の板は多かれ少なかれ反りや捻れがあるのですが、それを一度鉋盤を通して平滑にしても内部応力の変化によってまた徐々に狂ってきます。そのひずみを出るだけ出させるために写真のように一枚ずつ木端立てにして1週間ほど放置します。風が通るように板と板とは隙間をあけます。

こうした作業を養生と呼んでいますが、これはたいへん重要な行程で、養生なしに一気に加工をすすめると製品になってから不具合が出て来るおそれがあります。よく「作るのにどれくらいの時間がかかるんですか?」と聞かれることがあるのですが、それは実際に切ったり削ったりの加工している時間のことだけの話なのか、材料出しや養生や乾燥などの時間も含むのかによって大きく変わります。たとえば「実時間は1個当たり3時間、養生なども含めると2週間」といった具合になります。

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