トチ縮杢の合蓋刳物2点製作中

 

DSCN8329_2

 

トチノキ(栃ノ木)の太い角材(90×130mm)を用いて、合わせ蓋式の刳物の箱を作っています。基本加工が終わったところです。蓋付きの箱物の場合、本体(実)を覆うように蓋がすっぽり被さる形式が「被蓋(かぶせぶた」、本体に対して蓋が側面で面一になるようにするのが「合蓋(あわせぶた)」です。

合蓋の場合は、蓋と実とを一つの材料を上下に二分して木取することが多いのですが、そうすることで蓋と実との木目が連続することになり、見た目に美しく、ボリューム感を強く打ち出すことができます。ただし刳物で合蓋式の箱を作るとなると厚板よりさらに厚みのある材料=柱材のような大断面の角材、または盤が必要となり、そのうえその箱が工芸品的な一品ものであればそれに適合するような杢のきれいな大材を用意するのは容易なことではありません。合蓋は蓋と実の合わせ面の双方に凹凸のかみあいを作るので、狂いのないよく乾燥した材料でなければなりません。

上のトチノキは全体に細かな縮み杢が出ている銘木&特級材。仕上がりで高さ80mmくらいになりそうです。英語圏ではこういう杢の材料をカーリーとかタイガーと呼んでいます。県外のある方から何年か前にいただいた材料ですが、やっと日の目を見ることになりました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA