胴腹ノ滝とヤグルマソウ

 

すっかり有名になってしまった、鳥海山南西麓の胴腹ノ滝。崖(溶岩流の先端)の途中から湧水が二条の滝となって出ているので、それで胴腹(どてっぱらの意)と呼ばれています。滝もみごとですが、駐車場から滝までの約150mの歩道は、周囲の杉林は人工林ながらも戦後すでに半世紀以上経っているようで、自然植生の樹や草もいろいろ観察できます。

いま盛りなのはヤグルマソウです。林床のかなりの面積を占めるように群生。ユキノシタ科の多年草ですが(Rodgersia podophylla)、葉は5枚の輪生で、矢車形の一枚の葉が最大で長さ40cmにもなります。葉の姿も独特かつ立派ですが、上部につける円錐花序はやはり長さ40cmにもなるものも。花は一個の大きさは5〜10mmくらいの小さなものですが、それが束になって咲き、やや薄暗い林床にあちらこちらに白く浮かぶようすは幻想的です。

春・夏・秋のそれぞれに花が咲くので、それを楽しみながらの滝見や水汲みはいかがでしょうか。ちなみにこのとき(6/5)の湧水温度は右左ともに8.8℃でした。水量はかなり多いほうです。

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胴腹ノ滝と不動神社

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鳥居の前あたりから杉の幹の間ごしに滝がちらちらと見えはじめる。

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往路を振り返る。向こうが駐車場。

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ヤグルマソウの花。星形の小さな花の白い部分は花びらではなく萼片。

 

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