先日の家具の扉の加工のひとこまです。扉の四方枠のうち、上下の横桟は縦框とホゾ組になるのですが、面は被せ面としました。縁を角度45度、幅ルート3×√2mm(約4.2mm)の面にすることで、大きめの面処理をしつつ、縦と横の枠が組合わさる箇所の納まりがきれいになります。
しかしこの加工はけっこうめんどうです。昔なら当然手作業で手鋸+手ノミで面をこしらえるしかなかったわけですが、現在では上の写真のような傾斜切りができるスライド&ラジアルソー(マキタの216mmのスライド丸ノコ)を使って加工をすることができます。ただし建具屋さんなどが用いている本格的なラジアルソーではないので、精度・剛性が足りず、とくにヘッドを左右に大きく傾けると0.数mm程度ですが誤差が出てしまいます。
まあ値段も一桁以上異なるのでしかたがないのですが、面処理の部分はとても目立つところなので、実際に加工する部材と断面寸法がまったく同じダミーの材料を使って、何度も試し切りをします。写真で丸ノコの下に中央から左に向けて置いているクリーム色の角材がそれです。
セッティングは手間がかかりますが、一度決まってしまえばあとは扉の数がたくさんあってもスピーディに切り進めることができます。10万くらいの過般型機械ですが、仕事で使うには欠かせない機械といえます。