某住宅部材&機器メーカーの小冊子に載っていた住宅で、これは「デザイン住宅」なんだそうです。軒の出が皆無で、玄関先の目隠しのルーバーは木製で雨ざらし……。高温多雨多湿の日本ではたちまち外壁が汚れそうですし、むき出しの木部はいったい何年保つのか心配です。敷地が狭く隣地との距離がとりにくいとはいえ、これはないよねという感想です(内部の詳細も載っており、私としてはいろいろ言いたいことはあるのですが、それは省略します)。
いわゆるデザイナー系の住宅はかなりの割合でこういうタイプのものが多く、ほんとうにまじめに木造建築・住宅というものを考えているのか、はなはだ疑問です。
単なる装飾的なもの遊びのものならいざしらず、実生活での道具や機器や建築などは、まずなによりも基本的な機能や使い勝手や耐久性をきちんと満たしていることが最低条件です。見てくれはだいじではあっても、決してそれらの条件より優先するものではありません。もちろんデザイン的要素がまったく考慮されていないモノは味気ないのはたしかですが、実質を損なうことなくいかにかっこよく見せるかに、まともなデザイナーや建築家は死ぬほど頭を悩ますわけです。それを上記のようなチープな回答を出されると、ほんとうにがっかりします。