コーヒーブレーク 30 「火山弾」

 

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やがてみな正座となりし火山弾

先日の御嶽山の噴火はすさまじかった。火山弾に打たれるなどして亡くなった人が50人以上もいて、あらためて火山の怖さを思い知ることになった。もっとも火山性地震がずっと続いていたことや、頂上付近の地震計が去年の夏から故障したままであったこと、頂上付近の立入禁止といった予防措置が皆無であったことなどをみれば、半分は人災であると考えるべきだろう。それを噴火の予知はできないとだけ強調するのは単なる責任回避である。/さて鳥海山も要注意の火山のひとつ。なにしろ213年前の1801年に現在の頂上ドームができたくらいだから、今後いつ噴火してもおかしくない元気な山だ。さいわい今のところ火山性地震等の兆候もあらわれていないので、すぐに危ないというわけではなさそうである。しかし同じ山形県内の山でも蔵王山は噴火口跡のお釜という湖が白濁したり微地震が続発するなどしており、3.11の大地震であれだけ日本全体が揺さぶられたので、いろいろ影響が出ていることはまちがいない。

二三羽はいつも遅れて稲雀

いつだったかわりあい間近かに群れた雀を観察する機会があった。刈り入れの終わったばかりの田んぼで数十羽の雀が落ち穂をさかんについばんでいた。車道からいくらも離れていないせいか、ちょっと物音がするといっせいに飛び立ってまたすぐに降りてくる、その繰り返し。離れたところまで移動するのかと思うとそうでもなく、2〜3mほども上にわっと飛び上がってまたほとんど前と変わらないところに降りてくる。よくある海中のイワシなどの群泳の映像のように、小刻みに急速に向きを変えるので、群れ全体がひとつの生き物のようだ。/しかしながらよく見ると、その群れ全体の動きにすかさずきれいに同調する雀が大半である一方、いくらか少数の雀は「ちぇっ、しかたがねえな〜」という感じでタイミングが遅れて飛び立つのがいる。そういう雀は上にも最小限の高さまでしか飛ばないという省エネ。

案山子とて一人二人と呼びおりぬ

案山子もいまはあまり見かけなくなった。作る手間暇とその効果を考えるとわりにあわないということだろう(そもそも鳥よけなどの効果はほんとうにあるのだろうか?)。米価も下がる一方だし。現在それなりに案山子が立っているところというと、個人がまったく趣味的にやっているか、「案山子コンクール」のようなイベントで行っている場合がほとんどだ。だが、案山子は古着や間に合わせの材料で即席的に作るからこそ味があるのであって、古着とはいえない新しめの衣類と材料を用いて、しかもあまりリアルに手足を作りこまれると立派というよりもちょっと怖い感じになってしまう。下手すると野ざらしの処刑人のようだ。

 

(※ 写真は鳥海山中腹の紅葉。緑なのは主にチシマザサで、全体としては赤く染まるというよりも橙色というところ。)

 

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