※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用とします。

副尺付鎌罫引

 

部材に一定の間隔で加工の基準となる線を引くための道具が罫引(けひき・毛引)です。大工仕事や木工で使用するそれは一般的には定規板と刃を仕込んだ棹からできており、線を引こうとする部材に定規板を当て、棹を任意のぶんだけ出し入れすることで部材に線を引きます。一度セットしまえば何度でも細く正確な線を引くことができるので、家具作りにも欠かせない道具です。

ただし刃先を部材にわずかながらも食い込ませながら線を引くので、言うまでもありませんが部材に傷を付けることにもなるわけで、見えがかりのところまで、よけいな部分まで線がのびてしまわないように注意が必要ですし、消すことはできません。したがって当工房では刃ではなくボールペンやシャープペンシルで線を引けるように自分で改造した罫引もよく使っています。

DSCN1873

 

さてその罫引に新顔がくわわりました。棹の部分がステンレス(SUS240Z・焼入・硬度HRC48〜52)製でなんと副尺がついています。ノギスの目盛りでおなじみの副尺です。棹の本体のほうの目盛とスライドする幅の狭いほうの棹の目盛との合致するところを読み取ることによって刃の出を0.05mm単位で正確に規制することができます。罫引の刃を研ぎ直すと0点が微妙にずれてしまうわけですが、その場合は容易に0点を修正することができるようにもなっています。なお刃は研ぎ直しがしやすいように青紙スーパー鋼でできていてステンレスの棹にきれいに溶接・研磨されています。

従来の罫引だと棹の出を決めるのに直定規などで定規板と刃との間隔を計って設定していたのですが、めんどうだしなかなか一発では決まりませんでした。棹に真鍮製の目盛り板が付いている罫引もありますが、そのスケール自体があまり精度のいいものではありません。それがこうして精密に簡単に刃の出=定規板からの距離を決めることができるのは画期的といっていいでしょう。

先日、取引のある建材店のフェアで、出店していたブースのひとつで買い求めたものですが、メーカーは松井精密という計測機器を製造している会社とのこと。写真の棹は長さ100mmですが150mmのものや、目盛りが寸尺の目盛りのものもあるようです。通常の罫引に比べると値段は何倍もしますが、それだけのあてはあると思います。同じような仕組みでボールペンやシャープペンシルの線も引けるようなものもあればもっといいのですが。

 

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